「身体がたるんでいく…」「すぐに疲れる…」「将来のケガや病気が心配…」など、身体の衰えに気づきはじめ、体力の悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。そんな50代の女性が、若さを取り戻すなら「筋トレ」です。今さら始めて効果はあるのかと、不安に感じるかもしれないですが、50代こそ筋トレが体に及ぼす影響は大きいのです。
この記事では、50代の女性にとって、筋トレの必要性やその効果、さらに自宅でできる簡単筋トレメニューを詳しくご紹介します。ゆっくりはじめて、あの頃の引き締まった体形を取り戻しましょう。
■筋肉は50代がターニングポイント。その理由を解説
男女年齢を問わず、健康維持や美しいボディーラインを保つために筋トレは効果的です。50代女性においては、特に筋トレの必要性が高いといえます。その理由は二つあります。
・女性は50代を境に筋肉量が大きく低下しはじめる
・閉経によって体内バランスが変化する
■ダイエット効果
若い頃に比べて「食事量は変わっていないのにどんどん太っていく」「食べる量を減らしているはずなのに体重が減らない」と感じている人も多いのではないでしょうか。その理由は基礎代謝が加齢によって低下するためです。基礎代謝とは生命維持に必要なエネルギー代謝。つまり、生きているだけで消費されるエネルギーのことです。
■50代からでも大丈夫。筋トレが50代女性に与える効果を解説
女性は閉経を迎える50代から筋力が大きく低下することがわかりました。ぜひ筋トレを始めてほしいところですが、「この年齢から筋トレして効果はあるのかなぁ…?」と考える人も多いのかもしれません。では、50代から筋トレをする効果について詳しくみていきましょう。
■美しい姿勢の維持
「お年寄り」と聞いた時にどんな姿をイメージしますか?腰や背中が曲がって杖を付いている姿をみるとイメージ通りの「お年寄り」と思うでしょう。反対に、とても姿勢の良い80代、90代の方を見たとき、実年齢よりも「若い!」と感じませんか?このように、若さの秘訣(ひけつ)には姿勢の良さがあるのです。
実際、人間は加齢に伴いだんだんと姿勢が悪くなってしまいます。その原因は「抗重力筋」が衰えるため。「抗重力筋」とは、地球の重力に対して姿勢を保つために働く筋肉のことです。
抗重力筋は首から足首までを支えていて、具体的には
・脊椎(せきつい)起立筋
・腹直筋
・大殿筋
・大腿(だいたい)四頭筋
・下腿(かたい)三頭筋
■生活習慣病予防
先述したとおり閉経前後の10年間は卵巣ホルモン「エストロゲン」が急激に低下するとともに、50代女性は生活習慣病のリスクもグンと高まります。
エストロゲンには、血管の状態を健やかに保つ、内臓脂肪を分解しやすくなる、といった働きがあります。そのため、閉経前後でエストロゲンが低下した50代女性は以下のような生活習慣病のリスクが高まってきます。
・高血圧
・脂質異常症
・糖尿病
・肥満
・心臓病
・脳卒中
血圧や血管へ良い影響を与え、糖代謝や脂質代謝の改善効果が期待できる筋トレをはじめて、生活習慣病を予防していきましょう。
■精神的にも健康になる
閉経は精神的にも大きな影響を与えます。閉経前後の精神的な症状には
・イライラ
・不安感
・不眠
・無気力
などがあり、ひどいときにはうつ病を引き起こします。厚生労働省による調査では、女性は男性の2倍程度、うつ病にかかりやすいこともわかっています。
精神の安定を保つためには質の良い睡眠が重要となるのですが、朝までぐっすり眠るためにも筋トレが効果的であることがわかっています。
2017年カナダにあるマクマスター大学が筋トレと睡眠の関係を研究した結果、筋トレには睡眠の質を高める効果があると発表されました。
習慣的に行う筋トレが睡眠の質を改善するのです。快適な睡眠が不安感を軽減し、精神の安定につながり、更年期による症状としてもあげられる、うつ病の予防にも期待できるといえます。
美しさをキープ。50代のうちに鍛えたい「おしり」「太もも」「体幹」
50代女性にとって筋トレが大切なことがわかりました。では、具体的にどこの筋肉を鍛えればより効果的なのでしょうか。上半身の筋力はそこまで大きく低下しません。加齢に伴う筋力の低下が最も激しいのが、下半身の筋力です。
■そのため50代女性が特に鍛えたいのが、次の下半身の筋肉です。
・大殿筋
・大腿四頭筋
・ハムストリングス
この三つの筋肉には共通点があり、筋トレをすることによって次のような効果が期待できます。
・大きい筋肉であるため、基礎代謝の向上が期待できる
・抗重力筋であるため、美しい姿勢がキープできる
・下半身が安定するため、立っていても疲れにくくなる
・年齢を重ねてもパンツスタイルがかっこ良くきまる